目に見えないもの、信じますか?
高校生の時に、シャーリー・マクレーンの『アウト・オン・ア・リム』を読んで以来、
目に見えない精神世界というものが存在するらしいということを、何となく
意識するようになりました。決して妄信的にではなく。
上記の本が出版されてから随分経ちますが、当時殆ど一般に浸透して
いなかったスピリチュアルな世界が、今ではブームと言っていい程にまで
広く知られるようになりました。
個人的な意見を言うならば、正直そのブームの中には「これはどうか?」と
首を捻るものもあります。女性週刊誌の広告ページなどを見ると、それは
大勢の“スピリチュアルカウンセラー”さんがいらっしゃっる昨今、果たして
真実を見極めるには、自分自身の精神を鍛えるのが不可欠では無いかと
思うわけで・・・(私自身の至らなさはひとまず置いとくとして。苦笑)。
●4月29日(火)放送:
佐藤愛子×ピーコ『愛子とピーコの「あの世とこの世」』
作家の佐藤愛子さんと、タレントのピーコさんの対談形式の本です。
本の帯に大きく“江○啓之ファンは依存症なのか”と書かれていますが…
TVのゴールデンタイムに進出した、スピリチュアルブームの立役者である
霊能者を批判した本だ!と、正にファンの人からのブーイングが起きてて、
Amazonのブックレビューの点数は賛否両論、非常にばらつきがあります。
じっくり読むと、決してただ批判してるだけの本では無いことが分かります。
ひどい心霊現象に悩まされていた佐藤さんを、親身になって助けたという
江○さんの霊能力はちゃんと評価してありますし、この本=彼の批判本、
という訳では決して無いからです。
佐藤さんもピーコさんも、現代科学では解明できない不思議な体験をした
事によって、所謂スピリチュアルな世界の存在を信じるに至ったそうですが、
「オーラが何色」「前世が誰某」という事をエンターテイメントたらしめる
TVの限界について、疑問を投げかけているというスタンスなのです。
最終的に、そういったスピリチュアルブームの現代の日本に生きる人達は
どうなの?という話で締めくくられています。一人一人が自分の生きている
意味を理解し、自身を高めていく事の大切さなどが語られています。
おすすめ度:
★★★★☆
本の帯にある文言で“便乗商法”と誤解を招きかねないのが残念。