友だちってなに?
そういえば。
大人になって“友だち”について深く考える事って、少なくなりました。
小学生~高校生にかけて何より悩みを伴う物事と言えば、友だちに
関することが殆どだったんじゃないでしょうか?
そんだけ悩む時間があった事は、今思えば幸せな事だったのかも。
勉強も部活も大事だけど、何より人は人と共存してこその生き物で
ある事を、学校時代に学ぶものなんでしょうね。
広く浅くでも、友人は沢山いた方が良い!と思っている人も居れば、
少人数の友人とじっくり付き合うのを好む人もいます。意見は様々、
付き合いの形態も様々。そうして大人になった頃に、自分に合った
友だち付き合いのスタイルが出来上がってくるんでしょう。
今回ご紹介する映画は、思春期をとっくに通過した大人にも、
正に思春期ど真ん中の人にも、観てもらいたい作品です。
●7月30日(水)放送:
重松清さんの小説が原作の映画です。
主人公の恵美を中心として、いくつかのエピソードが展開します。
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恵美は小学生時代に交通事故に遭い、足が不自由になります。
同じクラスの病気がちな由香とは、学校行事がきっかけとなって
交流を持つようになるのですが、何かと要領の悪い由香に苛立ち、
時に意地悪を言ってしまう恵美。それでもお互いの存在を大事に
思うようになり、次第に固い友情で結ばれていきます。しかし、
中学生になった頃には、由香の体の具合は日に日に悪くなり、
入院しがちになってしまいます。
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「友だちってたくさんいた方が楽しいでしょ?」と言う、二人と同じ
クラスのハナ。彼女には、恵美と由香がいつも二人っきりでいる
のは寂しいことだと思えるらしい。そんなハナには“親友”の志保
がいますが、志保に彼氏ができて以来、友達付き合いが希薄に
なって、それを無意識のうちに気に病んだハナは、体調を崩して
しまいます。そして後に、恵美と由香の心の繋がりの強さを知リ、
ハナはちょっぴり心を動かされます。
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恵美の弟・ブンの幼なじみ三好君は、成績優秀でスポーツ万能な
ブンのことを誇りに思っています。すっかりクラスの人気者のブン
と自分との間に、昔と比べるとかなり距離が出来ているのを否定
できない毎日。そんなある日、ブンをヒーロー視するのが行き過ぎ、
ある事件が起きてしまいます。
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ブンの一学年上の、サッカー部の佐藤先輩。彼は部活を引退した
後も練習に顔を出し、ブン達後輩に先輩風を吹かせています。
現役の頃ずっと補欠で過ごした彼は、鬱屈した思いを後輩達に
ぶつけるわけですが…
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複雑な思いでいっぱいだった思春期の頃が思い起こされるような
映画です。8月16日(土)より、シネ・リーブル博多駅にて公開です。
おすすめ度:
★★★★★
じんわりと心にしみる感動作です。「学校に通ってた頃、クラスに一人は
必ずいたよね!」って思えるような登場人物達。様々な思いが甦ります。
個人的にはハナ役の吉高由里子さんが気になりました。