世のお父さん、娘さんに。
たまには、詠んでみます。
しみじみと
心にしみる
一本を
最近はエンタテイメント大作のヒットの話題が映画界を賑わせています。
ワクワクドキドキする映画の面白さを楽しむのももちろん良いんですが、
たまには、じわっと心に響く映画を観たくなりませんか?
ハーヴェイ・カイテル主演の「スモーク」という映画がありました。
ブルックリンにある小さなタバコ屋が舞台の素敵な人間ドラマです。
そして今回ご紹介するのは「スモーク」のウェイン・ワン監督最新作。
お互いに相容れない気持ちを静かに抱える父と娘、親子のドラマです。
じわっときますよ!
●2月17日(水)放送:
妻が先立ち、仕事もリタイアした父親が、北京から娘を訪ねて
アメリカへやって来るところから映画は始まります。
そもそも娘を訪ねた理由は、彼女が離婚した為、その行く末を
父親が心配したから。
笑顔の無い娘を元気づけようと、いっぱい料理を作って振る舞う父親。
朝食を作っても「バスに乗り遅れるから」と、慌てて家を出る娘。
彼女は仕事から遅く帰ってきて、父親は夕食を作って待っているけど、
「そんなに食べられないわ」と箸が進まない。二人で囲んだ食卓にも、
やっぱり会話が少ない。久々に再会したにも関わらず……。
やがて、娘が父親に対し心を素直に開けない理由が明らかになります。
二人の過去には、一体何が…?
*
私も娘だから分かりますが、お父さんとのわだかまりって、お母さんとの
間のそれとは何だか質が違うんですよね。お互いの痛い部分には、敢えて
触れないようにしているが故に疎遠になりがちと言うか。性別が違うのも
そうなりがちな理由かも知れませんね。。。
ウェイン・ワン監督、実は小津安二郎監督の大ファンなんだそうです。
この『千年の祈り』は、正にその影響が現れているのがよく分かる作品。
家族…特に父と娘を中心に描かれているところとか、抑制が効いたところ
などなど。小津映画もそうですが、ちょっとしたユーモアも挿みながら、
静かに心にしみる佳作です。
シネ・リーブル博多駅にて、2月27日(土)より公開ですので、ぜひ!