「鈍感力」
毎週月・火・水曜の8:30過ぎ位からお届けしています、Morning Waveの新コーナー「まにまにABC」。ただいま、過去の放送分をおっかけてブログにアップしております!急げ私!!
「まにまにABC」は、文化系情報をお気楽にご紹介しているコーナーで、月曜はアート(ART)、火曜は本(BOOK)、水曜は映画(CINEMA)の情報を(基本的に)お届けしてまいります。
4月10日(火)放送分
さて今回のまにまに「B」は、新聞や雑誌に載っている本の売上ランキングにおいて、ここ数ヶ月ずーっとずーっと一位をキープし続けているこの本、「鈍感力」。渡辺淳一さんのエッセイです。
一体どうしてベストセラーなのか?
何が面白くて、この本は売れているのか?
・・・などと検証してみたくなり、読んでみました。
一般に『鈍感』であることは、悪いことのように思われます。
しかしながらこの本では、肯定的に捉えうる鈍感さ(この場合、人の痛みや苦しみが分からない自己中心的な鈍感さなどは除きますよ)に賛辞を与え、『素敵に鈍感』という言葉で表してあります。
さて、『素敵に鈍感』とは、なんでしょう?
その一例として、渡辺氏の著作を読んだことも無いのに「あなたは才能があるから大丈夫よ!」と言ってバーンと渡辺氏の背中をたたき、元気に大らかに励ましてくれる(確かに根拠が無いので鈍感だと言える)行きつけのバーのママ。そしてその裏付けのない励ましを素直に受け入れる事(図にのる才能とも言える鈍感力)で渡辺氏は元気をもらい、仕事に対するやる気を奮い立たせた、、、というエピソードがありました。
これはお互いが『素敵に鈍感』な人であったので、“励まし、励まされ”の図式がうまく成り立った例ですね。もしこの時、渡辺氏に「才能があるなんて、読んだことも無く根拠も無いのに何を言う?」というひねくれた感情が浮かぼうものなら、ついには人間関係まで崩れてしまいます。
このように、人と人の間で生きるうえで「鈍感力」はいかに必要となってくるか、ということが、他にも様々なエピソードを交えて書かれている本です。渡辺淳一さんの小説には欠かせない(専売特許とも言うべき?)、恋愛に関する記述もなかなか面白く、おすすめです。
読んだ後、ちょっと元気になれます。
売れてるワケが分かりました~。