junbunnyのブログ

2年ほどブログを休んでたけど、はてなに引っ越して再開。文と全然関係ない写真が貼られていることがありますが、ぼちぼち整えていきます。

暗闇に白や青や灰色や・・・

“ビデオ・インスタレーション”って言葉、初めて知りました。JUNです。

表現方法って、絵だけじゃなくて、ホント色々ありますねぇ。

一見するとおしゃれで、ちょっと近寄りがたいところがある。

でもその奥には簡単に言い表せないような優しさも見えて、

その世界の深淵さを感じることができる。

そんなアート作品を見てきましたよ。

●6月18日放送:

ロベール・カエン展福岡市美術館

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九州日仏学館との共催企画のビデオ・アート展です。ビデオ・アーティストでもあり映画監督、はたまたミュージシャンでもあるロベール・カエンは、様々なアートシーンで活動を行うアーティスト。

真っ暗な会場の中で、数点の作品が上映されています。スローモーション、白くて何だか漠然とした不安を思い起こさせるような画面、深く寂寥感漂う寒々しい海の青と、その上空を覆う分厚くどんよりした雲のかたまりが印象的な映像、、、大きな動きが殆ど無いその静寂な世界は、入り込んで見ないと“退屈”とか“眠い”とか、そういう印象が与えられがち・・・かも知れません。

かく言う私も、「あぁ、なんか映像の流れが遅くて退屈・・・」といった率直な感想も無きにしも非ず。そんな、作家に対して大変失礼な感想を抱いてしばらくして、気付いたことがあります。

「なんか今映像を見てる時、頭の中が“無”になってたかも!」・・・座禅を組んでいるような感覚とでも言いましょうか。

何かが判ったようだけど、全ては判らない。目に見える世界のみならず、自分の頭の中もまだまだ何かを追究していく余地がある、ということを教えてくれたような・・・そんな気分です。

ロベール・カエンは、“この作品はこういうものを表現したくて創りました、どうでしょう?”と言わんばかりの雄弁なアート作品とはおよそかけ離れたものを創る人なんじゃないかなぁと勝手に思ってます。小説家に例えて言えば、行間を読ませるタイプかな?そういうスタンスの作品って、受け取る側の感性によって好きか嫌いかが分かれるでしょう。作品そのものが“判る”or“判らない”とはまた別のお話で。

美しく、詩的で、哲学的とも言えるようなビデオインスタレーション

ロベール・カエン展は7/16(月・祝)まで、福岡市美術館で開催中です。