夏休みの思い出のひとつに・・・
小中高と、夏休みと言えば「読書感想文」が宿題に出されたりしますよねぇ。
あれ、結構苦痛だったりします(私もそうでした)。
幼稚園〜小学校の頃、本好きでした。作文も嫌いじゃなかった記憶があります。
中学に入ってからは部活をしてたし、面倒であまり本を読んでなかったなぁ。
読書感想文は、2年連続で『小公女』・・・中学生なのに、どうよ!?と当時の自分にツッコミ。
高校生時分、感想文にはカフカの『変身』を、文庫版で薄いから一晩で読んで書ける!と、
図書館で中身を見ずに借り、家でページを開いた途端、字の小ささ(=少ないページにぎっしり!)に
面食らった記憶があります。結局、明け方までかかって感想文を仕上げましたけどね。
でもこの本との出会いが、色んな本を読みたい!と思うきっかけになったので、面白いものです。
それでは、子供の頃から泥縄式で全く成長してない私の、7月の読書感想文をお送りします。。。
●7月17日(火)放送:
開高健『小説家のメニュー』
新聞社の臨時特派員としてベトナム戦争に従軍したり、世界中で釣りをしたり、
とにかく人生経験が“豊富”という言葉では物足りない!そんな開高健さん。
美食家としても知られる方ですが、美味しいものだけではなく思わず“うげっ”と
言いたくなるような食べ物にも挑戦されてます(ネズミとか…ピラニアとか…ひえ〜)。
開高さんの本は、作家自身の行動力から受ける男性っぽさと、それとは打って変わって、
表現の繊細な美しさとのギャップみたいなものが、魅力のひとつだと思います。
この本においてもそうで、その土地その土地で食べた時の描写が見事です。
例えば、“虹を飲む”という言葉。これは岩清水を飲もうとした時、岩壁のすそ辺りで、
流れる水に震える虹がかかっているのを見た時の表現です。・・・綺麗ですね。
おすすめ度:
★★★☆☆
夏休みが無くて旅行に行けない人に、見聞の広〜い開高さんの本、特にお勧めします。
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●7月24日(火)放送:
高田純次『適当論』
ハイ、私もジュンちゃんです。そして同じく適当人間です・・・
もう既に、感想も更に適当に書きたくなってきました。(←コラ〜!)
適当キャラで知られるタレントの高田純次さん。その人気のヒミツは・・・?
対談や心理テスト、そして高田純次さん本人の発言を通して、
高田純次さんの位置づけって、「何か楽しく生きてそうで羨ましく思う人」ですが、
やはりこれまでの人生では、色んな苦労もされてます。その辺りの記述も注視しつつ、
気持ちを楽にして生きる秘訣が、この本には記されています。
おすすめ度:
★★★★☆
姉妹品?適当手帳も気になる!!欲しい!!
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●7月31日(火)放送:
渦中の人
という訳で最近ニュースになりましたが、ギタリスト布○さんから暴行を受けて、
被害届を出した作家・・・町田康さんを、この日の放送では取り上げてみました。
で、事件のことは置いといて・・・
町田さんの作品はどれも、日本語が面白い!本のタイトルだけ見てもそそられます。
「テースト・オブ・苦虫」「パンク侍、斬られて候」などなど・・・
文体の持つ、独特のうねった感じも魅力です。
私が個人的にお勧めの町田作品は、『くっすん大黒』に同時収録の『河原のアパラ』。
うどん店で働く主人公、そこで同じく働く、物凄い根性腐れの“はま子”。
憎たらしいはま子の描写が素晴らしいです。読んでる側にも伝わってきます。名作です。
ちなみに『くっすん大黒』は、かのおしゃれ系文学賞・ドゥマゴ文学賞の受賞作ですが、
あの筒井康隆さんも絶賛してます。