タイトルに同感!な本
ごはんを作っている時に、ついついパクッと・・・つまみ食い。
子供の頃、母の手伝いをしながらよくやってました。
揚げたての鶏の唐揚げの、ひときわ小さい塊はつまみ食い用。
猫舌なのに、そんな事お構いなしでハフハフ言いつつ放り込む。
まだ茹で上がりの余熱の残ったマカロニサラダ。
温まったマヨネーズの、鼻の奥にツンとくる酸味。
“ちょい食べ”の繰り返しで大人になった!って人も多いでしょう…
今回ご紹介する本は、タイトルを見ただけで読みたくなる一冊ですよ~
●8月26日(水)放送:
“手”をキーワードに、料理に関する短い文章がいくつも綴られています。
手でこねる、手で折る、手でちぎる、手で裂く、手でまぜる・・・etc。
例えばピーマンの炒め物ひとつとってみても、包丁で均一に切るのと
パキッと手で割って作るのとでは、味わいが全然違うということ。
「これ作ってみたい!」と思ってすぐ実践できるような、料理のレシピの
数々も載っています。料理写真も素朴な感じで載っています。
人が手を使い心を込めて作ったお料理は、食べた人のお腹だけでなく
心に染みるもの。そんな思いが美しい文章から溢れています。そう、
料理レシピだけじゃなく、この本は文章の美しさがまた魅力なんです!
ところで私の母の本棚に、おそらく昭和40年代前半に買ったらしき
シリーズになった料理本がありまして、この平松洋子さんの文庫を
手にした時に、母の本の存在を思い出しました。そんな昭和の時代
を思い浮かべるような、ほんのちょっと懐かしさの漂う一冊です。
おすすめ度:
★★★★★
「この料理美味しいでしょ!?どうよ、どうよ、どうよ!!!」なんて
迫り来る感じが無いところが、非常に好もしいと思います。
日々のおさんどんにお疲れの主婦(もしくは主夫)の方、ぜひ。