Tokyo, they're on their way!
地方に暮らす人にとって、東京ってどんな場所なんだろう?
本などで情報を仕入れては、まだ見ぬ東京に憧憬した子供時代。
行った事も無いのに、A STORE ROBOTとかのショップの名前は
しっかり頭の中に叩き込まれていましたなぁ…(今は忘却の彼方)。
都会で、欲しい物が沢山あり、怖い人も大勢いるらしい街、東京。
私が上京したのは社会人になってからだったので、興奮すること
なく落ち着いて東京見物が出来ましたが、どうせなら子供の時に
色んな物や人のるつぼの東京を見ておけば新鮮だったかなぁ…
なんて、今頃になってちょっと後悔。
日本人の私はそんな感じでしたが、これが外国の人だったら、
東京をどう見て、どう感じるのか気になるところ。
それぞれ国籍の違う3人の映画監督が、東京を舞台に
撮った短編オムニバス形式の映画をご紹介します。
彼らの“TOKYO”は、果たしてどんな感じ…?
●8月27日(水)放送:
【TOKYO!/インテリア・デザイン】 by ミッシェル・ゴンドリー
以上3作品から成る映画です。
地方から東京に出てきて、友人の狭いワンルームマンションに
居候しつつ新生活の礎を築こうとするカップル、アキラとヒロコ。
しかし物事はなかなか上手いように進まない。バイトを探すも
採用になったのはアキラのみ。友人からは早く部屋を見つけて
出ていって欲しいと言われるけど、探す物件探す物件すべてが、
住む前からありありと分かる最悪の環境。ヒロコは東京に来て
ストレスだらけの毎日を送ります。そんな彼女にある異変が…!
~インテリア・デザイン
銀座のど真ん中に出没する、緑の服を着た奇怪な人物。彼は
地下から現れて、通行人を引っ掻き回しては地下へ帰っていく。
“マンホールの怪人”と呼ばれニュースにもなり世間を騒がせる
彼の名前は「メルド」。メルドが現れる度に、街はパニックに!
やがて彼は大きな事件を巻き起こしますが…
~メルド
東京のとある住宅街。一軒家に一人暮らしの引きこもりの男は、
10年以上外出せず、まともに人と接することなく生活をしている。
家に届け物に来る人達とも決して目を合わせることは無い日々。
ある日、毎土曜に注文するピザの宅配人に窘められたような
格好で、彼は顔を上げ宅配人と目を合わせます。そこに立って
いたのは、美しい少女でした。その瞬間、大きな地震が東京を
襲って…
~シェイキング東京
それぞれの作品で『ありえない出来事』が撮られています。
しかしながら、東京特有、と言うか都会にありがちな、ちょっと
(もしくは相当)病んだ日常が浮き彫りになっていて、なかなか
ブラックな印象を受けます。
ゴンドリー監督のキュートなセンスが光る【インテリア・デザイン】。
カラックス監督の【メルド】は正直「キモ~」な感じの映画でした。
今度銀座を歩く時、思わずマンホールの蓋を注視しそうです。
ジュノ監督の【シェイキング東京】は“家の外に一歩も出る事なく
生活が出来る便利な世の中”の裏にある、人々の心の奥に潜む
一種の病的な側面が表されていて、ちょっと寒気がするような
『TOKYO!』は、9月13日よりユナイテッドシネマキャナルシティ13、
シネテリエ天神にて公開です。
おすすめ度:
★★★☆☆
どの映画が一番好きだった?と聞かれたら…
シェイキング東京かなぁ。出てる俳優さん達も
私の好きな人ばかりでした。