難しいようで、簡単。簡単なようで、難しい。
第65回ヴェネチア国際映画祭で白い杖賞を受賞した、
北野武監督の最新作をご紹介します。
ゼノンの詭弁『アキレスと亀』って知ってますか?
どんなに足が速いアキレスでも、先の地点でにスタートを切った亀には
永遠に追いつけない・・・というお話です。
この映画では、それをアニメーション化した映像が本編の前に流れます。
映画のタイトル名にもなってますが、果たして映画の内容との関連性は?
●9月10日(水)放送:
北野武監督作品(脚本も)。
美術品の蒐集家で、町の名士でもある父親の元に生まれた真知寿(まちす)は、
絵を描くのが大好きな寡黙な少年。
ある日父の会社が倒産し、両親は相次いで自殺。真知寿の人生はどん底に。
それでも真知寿は絵を描くことを諦めなかった。青年になり、印刷工場や
新聞配達のバイトで貯めたお金で美術学校に通い、そこで出会った仲間と
共に、ますます芸術の世界にのめり込みます。しかしながら真知寿の作る
作品は、画商からもまともに相手にされません。
そんな真知寿を、印刷工場の事務員・幸子は優しい目で見守っています。
やがて二人は結婚し、子どもも一人授かりますが、やはり何年経っても
真知寿の芸術は鳴かず飛ばずで・・・
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映画のタイトルのことを考えなければ、これはある男の生き様を描いた
ものとして、すんなり観れる映画です。
基本的に真知寿の行動は自分勝手。これは幼い頃からほぼ変わりません。
“自分とそれを取り巻く状況を顧みず、思うままに行動する事の危うさ”
というものも、映画の中で表現されているように私は思いました。
『アキレスと亀』は、ユナイテッドシネマキャナルシティ13他にて
9月20日[土]より公開です。
おすすめ度:
★★★☆☆
亀=真知寿、アキレス=幸子を象徴しているとか。
色々含みを持たせたつくりになっています。。。