私の好きな、Around80
9月15日から21日までの一週間は、老人週間です。
日頃から、お年寄りは敬いたいものですね。
今はたとえ80歳を超えていても、元気なお年寄りが多いです!
“お年寄り”と呼ぶと、逆に怒られそうな感じがする程です。
ギネスブックに載って話題になりました。現役バリバリ、素敵!
ご高齢である事も何のその、作家にも80歳を超えてご活躍中の
方はいらっしゃいます。
今回ご紹介する佐藤愛子さんも、そんなお一人です。
●9月16日(火)放送:
私の敬愛する佐藤愛子さん…以前も何度か佐藤さんの本をご紹介しましたが、
その魅力のひとつが、現代社会において“これはなんかおかしいぞ”という
部分を的確にビシッと指摘して、爽快な程に喝破してくれるところでしょう。
近頃は「人間の荒廃」が進んでいると、佐藤さんは書かれています。
世の中には自分さえ良ければそれでいいと思っているズルい人が、
大勢存在します。最近ではモンスターペアレントとか、モンスター
ペイシェントなんて呼称を多く耳にしますよね。自分のわがままを
押し通す人が増えると、日本の民度はどんどん低くなるでしょう…
かつて“怒りの愛子”という呼び名もあった程、甘ったれた人間に
一言物申す!な佐藤さんですが、最近では自らの老いの話も書かれ、
全体的に随分丸くなられた印象があります。
しかしながら、背筋のしゃん!と伸びた感じの文章の清々しさは、
昔と変わらず。お若い頃から波瀾万丈の人生を送ってきた佐藤さん、
時折ユーモアを交えながらの語り口は、痛快という言葉がぴったり
なのでした。これからも長生きして、Around90になっても現役で
いて欲しい作家さんです。
おすすめ度:
★★★★☆
長く生きている人の言葉には、ある種の重みがあります。
私の実の祖父母は既に他界しているので、佐藤さんの本を
手にする事で無意識にその重みを受け取りたい、と思って
いるのかも知れません。