おとぎ話の力。
今回ご紹介する映画は、本当に、本当に、たくさんの人に観て欲しい!!
長い歳月をかけて完成した、極めて美しい映画です。
もちろんビジュアル面だけでなく、物語としても面白く、
傷ついた心を抱えた登場人物達のやり取りに、観ていて
心を動かされるかも・・・
●9月17日(水)放送:
ターセム監督作品。
時は1915年、ロサンゼルスの病院。家業のオレンジ収穫を手伝っている時に
木から転落し、骨折して入院中の5歳のアレクサンドリアは、ひょんな事から
映画の撮影中に橋から落ちて入院中の青年・ロイの病室に迷い込みます。
「アレクサンドリアという名前は、アレキサンダー大王にちなんだ名前だね」
そう言うとロイは、アレキサンダー大王にまつわる話をアレクサンドリアに
話し始めます。
すっかり話に夢中になったアレクサンドリア。翌日からもロイの病室に通い、
お話をせがみます。ロイが日々少女に語るお話は、愛する者や誇りを失った
6人の勇者が悪に立ち向かう“愛と復讐の冒険物語”。
懐いてくるアレクサンドリアにお話を聞かせてあげながらも、ロイにはある
思惑がありました。大怪我で再起も難しく、それに追い討ちをかけるように
恋人を主演俳優に奪われ、彼は自暴自棄になっていました。そこで自殺する
事を考え、アレクサンドリアを操って、薬を薬剤室から盗んでこさせようと
目論んでいたのです・・・
ロイが語る寓話が映像となって表現されているんですが、
これが圧倒的な美しさをもって、観る側に迫ってきます!
CGを使わず世界24カ国以上でロケを行い、ターセム監督
自らの資金も費やしながら、大事に創り上げられた映画。
見事な衣装を手がけたのは、オスカー受賞者であり、
北京オリンピック開会式でもコスチュームを手がけた
石岡瑛子さん。
色遣いや構図は完璧、実に美術的価値の高い作品です。
KBCシネマにて、9月27日(土)より公開です。
おすすめ度:
★★★★★★★
映画のシーンのどこを取っても、美しい絵巻のようです。
「この映画を観て本当に良かった!」と思える作品でした。
ロイとアレクサンドリアの心の結びつきにもホロッときます。