秋は色んな思いが錯綜するから
私、今秋公開の映画には悉く涙腺を刺激されっぱなしです。
今回ご紹介する映画も、じわ〜っと泣ける一本。
ラブコメならこの人!な女優キャメロン・ディアスが、
初めて母親役に挑戦したことでも話題となっています。
●10月14日(水)放送:
ニック・カサヴェテス監督作品。
夫ブライアンと妻サラ、長男ジェシーと長女ケイト。
4人で幸せに暮らしていた一家に、ある日突然暗い雲が立ちこめます。
それは、2歳になるケイトが重い白血病に侵されたという悲しい現実。
悲嘆にくれる両親に残された一縷の希望、それはケイトの命を救う為、
遺伝子操作を施しドナーとして適合する子供をもうける事…そうして
生まれたのが、次女のアナでした。
家族は病気のケイトを中心に動き、家族の仲も良く、ケイトの病気が
日に日に悪くなっていくこと以外は順調かと思われた矢先の事でした。
アナが「もうお姉ちゃんの為に体を切り刻まれるのは嫌」と、なんと
自分の体を守る為、母親を相手に訴訟を起したのです。
ケイトとアナはとても仲が良いし、一体何が原因でアナが親の意思に
逆らうのか…?サラは母親として怒りと戸惑いを隠せません。その時
アナの決断の裏に、ある秘密が隠されていた事は知る由もなく…。
*
「生きること」と「死ぬこと」。
決して軽率に扱われるべきではないテーマです。
この映画はこの2つの重いテーマを描きながら、実に自然に観る側に
受け入れられる魅力を持っている、と思いました。
よく“子供や動物を使えば簡単に視聴者を感動させる事ができる”と
言いますが、そういうあざとい感じは一切ありません。
残された命を大事に精一杯生きているケイト、この世に生を受けて以来
ずっと姉の為に痛い思いをしてきたアナ、もちろんそれ以外の家族にも
なかなか表面に出せない悩みがあるわけで。このあたりは、ぜひ実際に
映画を観て、それぞれに色んな思いを巡らせて欲しいと思います。
画面に漂うやわらかなトーン、それから使われている音楽も素敵でした。
ユナイテッドシネマ福岡にて公開中です。