Smoke, Soil or Sacrifices
私、本を読むのは決して嫌いではありませんが、いかんせんストーリーものは
苦手だったりします。何巻も連なる壮大な歴史小説など、読む前からギブ。
だって、面倒じゃないですか(笑)
・・・と言ってしまうと元も子もないですが。
ぐぐっと話に引き込んでくれる力が無い小説だと、途中で飽きてしまいます。
寝食削ってでも続きを読みたい!と思える本に出会った事がある人は幸せです。
そんなの何冊でもあるよ!って方、素直に羨ましいです。
こんな私が過去ハマって読んだ小説の一つを、今回ご紹介したいと思います。
●11月6日(火)放送:
サンディエゴにある病院のERの腕利き外科医・奈津川四郎。彼の元に、日本に居る
母親が連続主婦殴打生き埋め事件の被害者になったという知らせが入り、緊急帰国
する事に。故郷・福井に帰り着いた四郎は、昏睡状態の母親と対面して怒りを募らせ、
犯人に対する復讐を決意。田舎の警察は当てにならないと、友人等の協力を得て、
独自に捜査を開始します。
物語に深く絡んでくるのは、奈津川家の複雑な家庭事情。四郎の父・丸雄は独裁者
のように一家に君臨、四郎を含む兄弟(上から一郎、二郎、三郎、四郎)はそれぞれ
幼い頃から丸雄に対する憎悪にも似た念があり、二郎に至っては家を出て行方不明。
ちなみに、奈津川兄弟はそれはそれはマーベラスな兄弟として描かれています。
キャラはざっとこんな感じ。
一郎・・・生徒会長とかやってそうな、文武両道・完璧な優等生タイプ。
二郎・・・四人の中で体力・知力・美貌が最も優れ、悪魔的な魅力を持つ存在。
三郎・・・他の三人に比べ無気力な印象の人物。でも一番まともかも。
四郎・・・末っ子らしく、上の兄達を慎重に観察して育った人。二郎的要素も含む。
そうそう、そして兄弟全員、高身長でイケメンという設定(漫画っぽいでしょ?)。
濃いキャラクター達が、素早く展開するストーリーの中を駆け回っている小説です。
「ありえない!」と感じる描写も無きにしもあらずですが、これはフィクションですよ、
って事で無問題。バイオレンス描写も多々ありますが、娯楽的要素が強いので、
そう陰惨な感じはしないと思われます。
純文学とも言えず、純粋な推理小説とも違う、ビート感のある本です。
好きになるか嫌いになるかは読む人によると思いますが、舞城王太郎の
スピード感ある文体、未体験の方はぜひ。
おすすめ度:
★★★★★
タランティーノの映画が好きな人は、多分好きになるかも(私もそうです)。
これを読んでハマった方は、続編『暗闇の中で子供』を。