プッチーニは涙腺を刺激する。
2008年はイタリアの作曲家・プッチーニの生誕150周年という記念すべき年。
プッチーニと言えば、数多くのドラマティックなメロディの歌曲を作ったこと
でも知られています。
一番の有名どころは、長崎が舞台のオペラ『蝶々夫人』の“ある晴れた日に”
でしょうか?ピンカートンを待ちわびる蝶々さんの思いの込められたアリア。
荒川静香さんがトリノ五輪で金メダルを穫った演技のバックに流れていた曲は、
オペラ『トゥーランドット』より“誰も寝てはならぬ”。歌は入っていません
でしたが、月日が経った現在でも、荒川さんの完璧な演技を思い出す時には、
あの曲が脳裏に焼き付いている人も多いと思います。
今回ご紹介するのは、プッチーニの代表作のひとつ『ラ・ボエーム』の映画版。
「オペラは敷居が高くて…」なんて躊躇してしまいがちな人でも、気軽に観る
ことが出来ますよ!
●2月26日(木)放送:
舞台は19世紀半ばのパリ。自由気ままに生きる若者が集う屋根裏部屋。
詩人のロドルフォ、画家のマルチェッロ達“ボエーム(=ボヘミアン)”
がそこで暮らしています。彼らは貧しい中でも明るさを失わずに、
それぞれに思い思いの道を歩んでいました。
その日はクリスマスイヴ。哲学者のコッリーネ、音楽家のショナール
がやってきて、彼らは共に街に繰り出すことに決めました。ただ一人
ロドルフォだけは、原稿を書き上げてから出かける事に。
そんな中、階下の部屋に住む女性が「ロウソクの火を分けて下さい」
とロドルフォの部屋を尋ねてきます。彼女の名前はミミ。話を聞けば、
彼女はお針子の仕事をしながらたった一人で暮らしていると言います。
こうしてひょんな事から出会った二人は、たちまち恋に落ちて・・・
********
ミミがロドルフォに自己紹介をする時の歌曲“私の名はミミ”は、日々
つつましく暮らしている彼女の静かな情熱が表現された歌詞が、美しい
メロディーに乗った感動的な一曲です。
美貌と実力を兼ね備えたソプラノ歌手のアンナ・ネトレプコが主演。
黒い髪に白い肌の彼女が雪の降る中佇む光景は美しく、儚い印象の
ミミの役柄にぴったりです。『ラ・ボエーム』は3月27日[金]まで
KBCシネマにて公開です。
おすすめ度:
★★★★★
オペラ好きな方は、中洲大洋のMETライブビューイングも是非!
http://www.nakasu-taiyo.co.jp/metro03.html
◆3月6日[金]まで上映される『ランメルモールのルチア』は、
アンナ・ネトレプコ主演です。
◆そして次回3月28日[土]〜4月3日[金]は『蝶々夫人』が登場。
故アンソニー・ミンゲラ演出の、注目の舞台です。